有名列車に隠れる「汎用特急」に乗って大阪まで懐かしさ漂う旅へ |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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有名列車に隠れる「汎用特急」に乗って大阪まで懐かしさ漂う旅へ

風情や歴史を感じさせる列車旅

■三重県横断

 木曽川、長良川、揖斐川の大河を一気に渡ると三重県に入り、桑名、四日市と停まっていく。このあたりは、JRをはじめ、ナローゲージの三岐鉄道北勢線、養老鉄道、三岐鉄道などバラエティに富んだ車両が目に留まり、鉄道ファンにはこたえられない。白子付近では伊勢鉄道の高架橋が遠くに見え、津ではJR線と再び合流する。県庁所在地だけあって、かなりの乗客が降りていった。観光客よりもビジネス客や所用で乗っている人が多いようだ。津から乗ってくる人も少なからずいて、都市間連絡特急の様相を呈している。

伊勢中川の手前で近鉄名古屋線から大阪線へ

 伊勢中川の手前で減速すると右に大きくカーブしてショートカットの単線の線路を進み、近鉄名古屋線から大阪線へと転線する。左側の席は急に日が差し始めたので、慌ててカーテンを閉める人が目につく。転線が終わったところでスピードを上げ、いよいよ山越え区間へと進む。
 大阪線に入って最初の通過駅は川合高岡。ちょっと分かりづらいけれど、JR名松線が接近してきて、すぐ近くに一志という名松線の駅もある。隣合わせではないけれど、乗り換えに使う人がいるという。もっとも名松線の列車本数が少ないので、車窓から名松線のディーゼルカーを目撃できる確率は極めて小さいだろう。しばらくすると、電車は雲出川を渡る。川は、その後、ふたたび接近した後、遠ざかっていく。対岸を名松線が走り、雲出川と絡み合うように山の中へ消えていく。

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